解説


 神奈川県内で記録されている鳥と、主にその生息状況について解説しています。
解説文は、日本野鳥の会神奈川支部編 神奈川の鳥の文章を基にしています。




2014年3月24日月曜日

アトリ Fringilla montifringilla

 本県には冬鳥として渡来する。丹沢山地周辺や横浜市内の自然公園から三浦半島にかけての観察記録が多く、午前中の観察例が多い。数羽から50羽程度の群れで観察されており、カワラヒワ、カラ類、ホオジロ類との混群で見られることもある。多いときには2万羽以上の群れが観察されたこともあり、年によっての渡来数の変動が多い。
 樹上で、ブナ、スギ、アカマツ、クロマツ、フサザクラ、ハゼ等の種子を食べるが、ハマダイコンの種子や昆虫の幼虫を食べた観察例も報告された。飛ぶときにキョキョやジュイーンジュイーン、ビュイーンなどと鳴く。

2014年3月15日土曜日

ヤマシギ Scolopax rusticola

 本県では主に冬鳥として渡来するが、夜行性であり、日中は薄暗い林や藪の中に潜んでいるため、目にする機会は多くない。日没後、湿地や畑などに出て来て嘴を地面に挿し込みミミズや小動物を採食する。
 本県の繁殖例としては、6月に2羽のヒナを連れた親の記録がある。 繁殖期には夕方や明け方にブウーブウーと低い声で鳴き、キチッキチッと短く鋭い声を出し飛ぶことがあるが、越冬期には鳴かない。
 神奈川県では、生息環境が開発の対象になりやすい湿地環境のため減少し、観察例も減少しているとして、非繁殖期・希少種に区分された。

2014年3月10日月曜日

ヒレンジャク Bombycilla japonica

 本県には冬鳥として渡来し、12月から5月にかけて見られる。山地での記録は無く、県南部での記録が多い。20羽前後の群れでの観察が多い。採食物はヤドリギの実の他にキヅタ、ヤブラン、メタセコイア、エノキ、トウネズミモチの実、コブシ、サクラの花、ケヤキの芽、ヤナギの花芽、川虫などが挙げられている。チリチリチリ、ピーッ、ヒーッなどと鳴く。レンジャク類はヤドリギの実を食べると粘着性の糞をする。

2014年3月8日土曜日

コサギ Egretta garzetta

 本県では丹沢・箱根を除いたほぼ全域で留鳥として見られる。サギ類の中では個体数が多く、河川、水田、池、自然林、都市公園、海上など広く見られるが、繁殖は年々減少傾向にある。
 採食行動は脚震わせ、横取り、待ち伏せ、パドリングなどのほか、羽を広げてクルクル回ったり、跳び跳ねたり、歩いたりなど様々な行動をする。採食例としては魚、カエル、アメリカザリガニ、フナムシなど。捕えたミミズを洗って食べたという記録もある。
 コサギもダイサギと同じように留鳥だが、秋に個体数が増加する。これは秋の渡りの時期に通過個体が長期にわたり逗留しているものと考えられる。

2014年3月6日木曜日

クロジ Emberiza variabilis

 本県には平地の常緑広葉樹林に冬鳥として飛来し、丹沢山地では繁殖の記録もある。採食物はイネ科の実、ヒサカキの落ちた実、ミズヒキの実、地面に撒かれたヒマワリの種などが記録されている。また、繫殖期にはハチの採食例も記録された。囀りはホイチーチーチーホイチーと聞こえる。
 神奈川県では生息数が少なく安定しておらず、ソウシチョウとの競合の可能性もあり、生息環境の悪化が懸念されるとして繁殖期・絶滅危惧Ⅰ類に、また冬季は越冬個体が減少し、定期的に観察されなくなった場所もみられるとして非繁殖期・減少種に区分されている。

2014年3月4日火曜日

クロガモ Melanitta nigra

冬鳥として主に北日本の内湾、外海に渡来する。本県では観察例は少ないが、藤沢沖から鎌倉沖にかけてほぼ毎年記録されている。二宮沖や真鶴岬沖や三浦半島の海岸でも記録がある。
潜水して採食するが、食べたものが特定された記録は無い。

2014年3月2日日曜日

ミソサザイ Troglodytes troglodytes

 本県では、箱根・丹沢山地周辺で一年を通して見られ、京浜・湘南・県央等の平野部では主に11~3月の越冬期に観察される。公園内の水路沿いの藪、ヒノキ・スギなどの針葉樹林の林床、倒木の下などでよく観察される。3~7月の繁殖期には、コケを咥えて運ぶ姿や滝のそばで餌を
運ぶ姿が観察されてい体に似合わず大きな澄んだ声でピピチーピルルピチー等と囀る。チャッチャッ等と聞こえる地鳴きはウグイスに似る。